錬金道士
れんきんどうし
初出:「アルス 二号」1915(大正4)年5月分量:約1分
書き出し:吾徒の術を修する法二あり。一は師に就いて口より口へ授かり、はたまた悟徹と示現とによつて過を知らんとす。また一の法は斯道の書を讀むにあれど、其《その》文難解にして頗《すこぶ》る晦澁《くわいじふ》なれば、人もしここに理と眞とを求めんとすれば、其心まづ精緻にして根氣よく勤勉にして且つ細心ならざる可《べ》からず。ピエロ・※コ「哲學奧義解」まだいかぬ——而もわが身は三日三晩のその間、燈火の薄暗い光のもとにラ...