――大観画伯の終焉
吉川英治
大観のもしゃもしゃ頭は 床屋に馬鹿にされて以来 もう一生 床屋には行かないと 決心したためだとは知らなかった。 テレビ収録の時に 土瓶に潜ませた 酒を飲みながら 対談したというのは 昔はよくあったようだ。 もしノーベル絵画賞というのがあれば 大観は 間違いなく受賞していたであろう。