「めたん子伝」の感想
めたん子伝
めたんこでん
初出:「文學界 第9巻第10号」文藝春秋、1955(昭和30)年10月号

室生犀星

分量:約35
書き出し:めたん子はしぜん町の片側に寄り切られ、皮紐とか棒切れとかで、肩先や手で小突かれ、惡い日は馬ふんを蹶とばして、ぶつかけられてゐた。めたん子は抵抗する氣が全然失せてゐて、對手をちよつと見返るだけで、その眼には何時も怒りは封じられてゐて、怒ることが出來ないのだ。皮膚は熟柿色で眼はやぶ睨みをしてゐるのが、友達仲間から厭がられ、憎まずにゐられないのである。これは人間に與へられてゐる皮膚の色ではない。めたん子...
更新日: 2021/03/31
b53e79cfe52cさんの感想

最近でこそイジメは人権問題となるが少し前までは当たり前、戦前の教育を受けた者はイジメられる方が悪いとなる。作者はイジメられるものにも優れた所があると言いたかったのであろう。