「燃ゆる頬」の感想
燃ゆる頬
もゆるほお
初出:「文藝春秋 第十年第一号」1932(昭和7)年1月号

堀辰雄

分量:約20
書き出し:私は十七になつた。そして中學校から高等學校へはひつたばかりの時分であつた。私の兩親は、私が彼等の許であんまり神經質に育つことを恐れて、私をそこの寄宿舍に入れた。さういふ環境の變化は、私の性格にいちじるしい影響を與へずにはおかなかつた。それによつて、私の少年時からの脱皮は、氣味惡いまでに促されつつあつた。寄宿舍は、あたかも蜂の巣のやうに、いくつもの小さい部屋に分れてゐた。そしてその一つ一つの部屋には...
更新日: 2017/01/04
2d55b5321b61さんの感想

少年愛文学の金字塔。やっぱりいい。理想化されてるようでいて、三枝の少年性は結局搾取される対象でしかない。それとも、花を手折るという行為の残忍さこそ少年性の象徴なのか?描写の美しさは安心と信頼の堀印。