心暖まる話である。しかし、あり得ない話かもしれない。こんなことがあるといいなという作者の夢なのかもしれない。 生後すぐ母から 引き離され 養子に 出されて 苦難の 育ち方をした作者 室生犀星氏 ならではの 、不運な者への 人間愛に 心打たれる。 娼婦である 女主人公 の 気持ちの 優しさが 男を 真人間にした と言えるであろう。 聖母のような女性である。 この二人が また 不幸に陥ることになりませんように、 幸せをつかみますように と 祈りながら 読んだ。 実際 には なかなか こうはいかないであろう と思ってしまう 人の世の 現実が 悲しい。