ヌタプカムシペ山脈の畔り
ヌタプカムシペさんみゃくのほとり
初出:「詩と人生」1924(大正13)年2月号分量:約1分
書き出し:ヌタプカムシペ山脈の畔り今野大力色づく木々の丘の上の林へ今日一日私は出かけためずらしい晴天である葡萄の葉と楡と、楢と栓とそれらみんな色づいて来た最早すべて葉を落したものもあるつたをたぐって丘に登る時私は愉快である登って見下せば又愉快であるみごもった稲田を広い平野の端から端へ見てゆくのも愉快であるいろんな野菜の収穫の終った畑も今は黍と芋蔓がしょんぼりと残っているのみで、麓の清い澄んだ流れは紅い木の葉...