「作家と孤独」の感想
作家と孤独
さっかとこどく
初出:「歴程」1936(昭和11)年4月号

中原中也

分量:約3
書き出し:作家と孤独中原中也インテリは蒼ざめてゐる。之に反して、月末の支払ひだけ片付くとなれば安心の出来る人達は元気でゐる。多分世の中は観念を見失つてゐるのである。衣食住さへ足りればいゝ人達は、不景気にも関らず、昔日よりも元気でこそあれ落胆してゐるとは思はれぬ。衣食住さへ足りればよい人達は、不景気なれば、尚更ボヤボヤしてはゐられないといふので、景気のよい時よりも当然意志的になるのであらう。扨インテリは、イン...
更新日: 2021/05/05
19双之川喜41さんの感想

 はじめの感想は 中原の散文は とても 達意の文とは 言いにくいということである。 中原は 孤独の醸し出す (観念)なるものが 作家には 必要と力説されるけど それが 何のことかは 伝わりにくいと感じた。

更新日: 2018/09/01
いちにいさんの感想

「観念」という言葉を使っている。 衣食住だけではなく観念が重要で、寧ろ、観念が衣食住より上位にくるのが、「インテリ」だと。芸術家だと。 インテリの行動は恐らく、金が入ったら米を買わずに、本を買ってしまうだろう。あるいは、金を稼ぐこと自体せずに洞穴で哲学をするのだろう。 自然、世間とは隔たる。故に、孤独となる。インテリは孤独なのだ。