「この子」の感想
この子
このこ
初出:「日本之家庭」1896(明治29)年1月

樋口一葉

分量:約31
書き出し:口《くち》に出《だ》して私《わたし》が我子《わがこ》が可愛《かあい》いといふ事《こと》を申《まを》したら、嘸《さぞ》皆樣《みなさま》は大笑《おほわら》ひを遊《あそ》ばしましやう、それは何方《どなた》だからとて我子《わがこ》の憎《にく》いはありませぬもの、取《とり》たてゝ何《なに》も斯《か》う自分《じぶん》ばかり美事《みごと》な寶《たから》を持《も》つて居《ゐ》るやうに誇《ほこ》り顏《がほ》に申《ま...
更新日: 2024/04/18
19双之川喜41さんの感想

 旦那様(だんなさま)は 私の顔を お睨(にら)み あそばした。夫婦仲が 険悪(けんあく)になってくると この 幼子(おさなご)が 二人の仲を 取り持ったような 結果(けっか)と なる。手垢(てあか)にまみれた 題材(だいざい)の 取り上げ方に 独特(どくとく)の 切り口の 上質感(じょうしつかん)が 伝わってくると 感じた。