「詩と現代」の感想
詩と現代
しとげんだい
初出:「早稲田大学新聞 第五十一号」1936(昭和11)年10月14日

中原中也

分量:約5
書き出し:由来芸術と時代との関係は、屡々取扱はれる所ではあるけれどもその問題本来の性質のせゐか、ハツキリとした結論に到達してゐる場合は、極めて稀である。そこで私は今此の問題を全体的に扱はうとする気持をなるたけ自分から排除したいやうに思ふ。その方が却《かへつ》て容易に真実に近づくことが出来るやうに思へるからだ。扨、現代が芸術にとつて、好都合な時代でないといふことは、漠然と乍ら、既に誰人の胸にも抱懐されてゐる所...
更新日: 2015/05/17
694e53fc3ba1さんの感想

時代が下り、ますます芸術にとって不幸な時代になっているだろうか? 「信義ある時代にこそ芸術は容易に発展する…信義に乏しい現今に、芸術家達は、恐らく甚だしい孤独に逐い込まれてゐる」 あまりに修辞的な社会に言葉が溢れ返り、人は心理的発達にのみ心を砕いて精神の発展を置き去りにする。 自称文藝家はもう部屋に引き籠るしかないか?