雙喜 鴎外は たまたま 泊まることに 相成った 大家でもある 主から 妻が きが触れて しまい 独白 妄言 とどまることを なお 知らず 困り果てて 相談を 持ち掛け られる。家の中で そこそこ 大きな 蛇を 目撃した 事を 切っ掛けとして 妻は 発病して しまう。蛇は 遠くに 棄てられても めげすに この 旧家に 舞い戻って また 住み着いてしまう。そのことが 妻の 神経を 逆なで するようでもあり 病状は 悪化する ことは あっても 改善する ことはない。ところで 蛇は 蚊を 好むことが 冒頭で 伏線らしく 仕込まれている。鴎外には 少しく あやかしの 雰囲気が漂う 作品を もっと 出して 欲しかったと 感じた。
仏壇の後ろに 蛇が 居着いてしまう。 それを偶々 目にしてしまった嫁が 動揺して 気が触れてしまう。 宿のものから ことの顛末を 聞かされた 泊まり客は 遠くに 棄てたのに 蛇が 戻って来た 訳を 解き明かす。 下敷きは 実話だろうか。 鴎外は 謎解き小説も 楽しめると感じた。
恥ずかしながら森鴎外の著作は「高瀬舟」のみしか今まで拝読したことがなかった。この「蛇」という作品は多種多様な見解ができ、非常に面白い。 一見薄志弱行に見える主人の行動だが、周りを顧みて行動した結果そう思われただけである。そして自分の思想をしっかり持っていた奥さんは自己破滅した。 自分の思想に酔って周りが見えなくなるのもいけないことであるし、逆に周りに流されるがまま行動しても結局は良い結果にはならない。 人間、「ほどほど」にすることが1番最適であり、難易なことであるのかもしれない。 そして、先代の主人が嫌った「耶蘇教」の忌み嫌われている「蛇」によって不幸がもたらされたというのが、なんともユーモアが効いている。