「悩みのひととき」の感想
悩みのひととき
なやみのひととき

マンパウル・トーマス

分量:約22
書き出し:彼は机から——例の小さいこわれそうな書物台《かきものだい》から立ちあがって、絶望した人のごとく立ちあがって、首を垂れたまま、部屋の反対の隅にある煖炉のほうへ歩いて行った。煖炉の円柱のように長くすらりとできている、炉瓦のところに両手をあててみたが、なにしろもう真夜中はとうに過ぎているので、炉瓦はほとんど冷えきっていた。そこで、求めていた小さな快感を味わいそこねた彼は、炉瓦に背をもたせて、咳をしながら...
更新日: 2025/07/25
艚埜臚羇1941さんの感想

  創作の 苦しみ 逡巡が 記されている。私は わけもなく 文豪と いうものは すらすらと 文章を 紡ぎ出すので 苦もなく 作品を 仕上げると 思い込んで いたけど 書物臺を はなれて 火の消えた 暖炉に あゆみ 寄ったり 悪性の 慢性の 風邪に 苦しみ ながら 呻吟して 鬱々と 文を ひねり 出しているので 応援を 送りたく なった。