「秩父の奥山」の感想
秩父の奥山
ちちぶのおくやま
初出:「山岳」1914(大正3)年9月

木暮理太郎

分量:約82
書き出し:何の為に山へ登るか。自分は此《この》稿を書こうとして、筆を持ったまま考《かんがえ》に耽っていると、不図《ふと》心の奥でひそやかな声がそう囁いた。然《しか》し自分は今|茲《ここ》にそれを論じようとしていたのでは勿論ない。唯《ただ》秩父山脈が首都に近い割合に、相当の高さと深さと大《おおき》さとを有し、麓に一ノ瀬、梓山、栃本などの愛す可《べ》き山村を抱いて、二、三泊の旅行ならば、充分に楽しい愉快な山の気...
更新日: 2021/02/23
59b0ddf6e8ebさんの感想

著者の実測を交えた奥秩父の山岳誌は、当時もそうであろうが、現在においても素晴らしいガイドブックである。雲取山、甲武信ヶ岳は登頂したことがあるが、当時よりも整備されてはいるものの、本作品の描写に合点がいく。本作品に触れて、奥秩父をまた目指したくなった。