「にはかへんろ記」の感想
にはかへんろ記
にわかへんろき

久保田万太郎

分量:約31
書き出し:まづ船に旅の幸えし五月かな一杖五〇円笠三三〇円べんたう行李五五円荷物行李(おひずる)三〇〇円首掛袋八〇円鈴二五〇円数珠二五〇円札箱五〇円お札二〇円納経帖一〇〇円脚絆一五〇円白衣四五〇円以上のへんろ装束、並びに、持道具一切を、われ/\、四国第一番の札所は、阿波、霊山寺門前の浅野仏具店で調《とゝの》へることができた。その前日の午後、神戸から乗つた“あきつ丸”を小松島で下りた途端、その汽船発着所の待合室...
更新日: 2024/04/28
19双之川喜41さんの感想

 ある お遍路寺で 戦時であるからして 鐘楼から 鐘を 取り外して 鉄類徴発に 備えて そこらに うっちゃつて 準備している うちに 敗戦となり 米兵がやって来て 何故 放り出してあるのかと 詰問された。分けを 話すと 屈強の 兵士を かき集めて 重い鐘を 持ち上げて 鐘楼に 元通りに 下げて くれたという。遍路の ごりやく かもしれないと 想った。