「夏虫行燈」の感想
夏虫行燈
なつむしあんどん
初出:「婦人倶楽部 別冊付録」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年8月

吉川英治

分量:約51
書き出し:風《かぜ》入《い》れ異変一迅い雲脚《くもあし》である。裾野の方から墨を流すように拡がって、見る間に、盆地の町——甲府の空を蔽《おお》ってしまう。遽《にわ》かに、日蝕のように晦《くら》かった。板簾《いたすだれ》の裾は、大きく風に揚げられて、廂《ひさし》をたたき、庭の樹々は皆、白い葉裏を翻《かえ》して戦《そよ》ぎ立つ——『おう。雷鳴《かみなり》か』昼寝をしていた高安平四郎《たかやすへいしろう》は、顔に...
更新日: 2022/02/07
19双之川喜41さんの感想

 笛吹川で 溺れかかった美しい少女を  助けたことから 男の 運命は 狂い 始める。 思い込みと勘違いの男は 他にもいたので 話はややこしくなる。 巧妙な筋と詩味溢れる 佳作 と思われる。

更新日: 2021/04/05
b53e79cfe52cさんの感想

一人の娘に三人の男が惚れて起こす騒動。無心な娘が一番罪深いと作者は言う。余計な肉付けがなく読みやすい。