05 小野忠明
吉川英治
本作品中に著される「小野忠明」は、時代劇好きの方なら耳にされたことのある「小野派一刀流」の開祖であります。本作品は、一刀流の始祖である伊藤一刀斎の元での修行時代と徳川将軍家の師範時代に分かれています。個人的には、伊藤一刀斎、小野忠明に興味があり、色々な作家の方々の著述に触れているのですが、本作品における小野忠明の描写は、如何にも史実に沿い、思いきった著者の想像が余り入っていないのが良いように思います。本作品を読まれてから、他の作家の著す「小野忠明」に触れられると良いかもしれません。