「平の将門」の感想
平の将門
たいらのまさかど
初出:「小説公園」六興出版社、1950(昭和25)年新春号~1952(昭和27)年2月号

吉川英治

分量:約615
書き出し:御子と女奴原始のすがたから、徐々に、人間のすむ大地へ。坂東平野《ばんどうへいや》は、いま、大きく、移りかけていた。——ために、太古からの自然も、ようやく、あちこち、痍《きず》だらけになり、まぬがれぬ脱皮を、苦悶するように、この大平原を遠く繞《めぐ》る、富士も浅間も那須《なす》ヶ|岳《たけ》も、硫黄色の煙を常に噴いていた。たとえば、茲《ここ》にある一個の人間の子、相馬《そうま》の小次郎《こじろう》な...
更新日: 2024/12/09
2daf7571d2cbさんの感想

割と史実の将門に近いのではと思う作品。 主人公なのに英雄視するわけでなく右往左往する姿が人間味ありますね。 大河ドラマの風と雲と虹との将門像も好きですが。

更新日: 2021/09/25
2f72b94fcbc2さんの感想

平の将門という人は歴史上かなり歪曲されて語り継がれてきたことがわかりました。実際は心優しい人物であるにもかかわらず、不器用がゆえに、逆賊扱いされていたことが良くわかりました。別の時代に生まれていたら、彼の人生も違っていたことでしょう。

更新日: 2018/11/11
61bbe9873431さんの感想

平将門に対する怨霊伝説がなぜ生まれたのかを垣間見ることができた気がする。長いと思わず一気に読むことができ、とても面白かった。

更新日: 2017/02/25
あきらちゃんさんの感想

面白かった。長さを感じさせない作品だった。叔父や大叔父から父親の財産を奪われた将門が、ささやかな幸せ安寧を求めて奮闘していく程に跳ね返されついには大反逆人、朝敵となり討たれるまでを描かれている。

更新日: 2016/10/26
ヨーコさんの感想

生きている時も死んでからも周りの人間によって別の将門像が作られていた。本当の将門とは、首塚に参っても暖かく迎えてくれて、そこで涙が自然に出てくるような、そんな人物であったのかもしれないと、この作品を読みながら初めて首塚で出会った彼を思い出した。

更新日: 2016/02/13
36185f321a38さんの感想

今まで平良の将門について名前は聞いてはいましたが時の朝廷に逆らったためあえなく馬上で一本の矢によって最後を迎えたということが解りました。色々な地方で祀られていることが解りました。今度その様ところに出会いましたら拝んできます。