この作品に出てくるトリックは、現代では、なかなか用いられ難い方法であろう。それ故に、なかなか興味を引かれる推理作品です。場面設定、物語の展開、登場人物の設定は、推理小説の典型であると思います。故に推理小説好きの方々には、展開、結末が予想されてしまうかもしれません。しかし、このトリックに使われている小道具の用い方は、現代では、なかなか思い付かないと思われるところが、痛快です。
不思議だ。筋はありきたりなんだけど、面白い。
“レコード”ときた時点で推理小説好きには結末が予想できてしまうが、そこに「1年間」という条件を付け加えて心の機微を表したのは流石だと思う。