「奇談クラブ〔戦後版〕」の感想
奇談クラブ〔戦後版〕
きだんクラブ〔せんごばん〕

08 音盤の詭計

08 おんばんのきけい初出:「月刊読売」1947(昭和22)年6月

野村胡堂

分量:約35
書き出し:プロローグ話し手の望月辛吉《もちづきしんきち》は、有名なジレッタントで、レコードの蒐集家の一人として知られた男でした。叔父《おじ》の経営している会社の平社員で——望みさえすれば、専務にも支配人にもなれる七光りの背景を持っているのですが、望月辛吉に取っては下手な詩を作って、好きなレコードを集めて、外国の探偵小説を読んで、マドロス・パイプを磨いて、出世もしない代り、首にもならない今の地位が、譬《たと》...
更新日: 2019/06/02
ハルチロさんの感想

この作品に出てくるトリックは、現代では、なかなか用いられ難い方法であろう。それ故に、なかなか興味を引かれる推理作品です。場面設定、物語の展開、登場人物の設定は、推理小説の典型であると思います。故に推理小説好きの方々には、展開、結末が予想されてしまうかもしれません。しかし、このトリックに使われている小道具の用い方は、現代では、なかなか思い付かないと思われるところが、痛快です。

更新日: 2015/12/26
奥津棄戸明さんの感想

不思議だ。筋はありきたりなんだけど、面白い。

更新日: 2015/05/11
めいこさんの感想

“レコード”ときた時点で推理小説好きには結末が予想できてしまうが、そこに「1年間」という条件を付け加えて心の機微を表したのは流石だと思う。