「新奇談クラブ」の感想
新奇談クラブ
しんきだんクラブ

02 第二夜 匂う踊り子

02 だいにや におうおどりこ初出:「朝日」博文館、1931(昭和6)年2月号

野村胡堂

分量:約32
書き出し:蔵園宗三郎の話「途方もない話をすると思う人があるかも知れませんが、これは総て私の経験した事実で、寸毫のおまけも無い、癪にさわるほど露骨な物語であります」第二話を引き受けた若い富豪蔵園宗三郎は、その秀麗な面を挙げて、少し極り悪そうに斯う話し始めました。奇談クラブの集会室、例の真珠色の光の中に、女会長の美しい吉井明子を中心に、贅沢の限りを尽した思い思いの椅子が、十二の花弁のように配置されております。糶...
更新日: 2020/01/12
ハルチロさんの感想

この作品のような怪奇で人の情念、怨念の凄まじさを描いているものは、個人的には好きです。作品中に出てくる女性のような体質の人は、古来より珍重されていたようです。“艶色”を「匂い立つ」等と表現することがあるのも、このような体質の女性が、世の中の男性を魅了していたからなのでしょうか。結末は、個人的には、かなり幻想的で“綺麗”過ぎると思うところです。これも「怪奇」ではなく「奇談」を表現されたからなのでしょうか。