02 第二夜 匂う踊り子
野村胡堂
この作品のような怪奇で人の情念、怨念の凄まじさを描いているものは、個人的には好きです。作品中に出てくる女性のような体質の人は、古来より珍重されていたようです。“艶色”を「匂い立つ」等と表現することがあるのも、このような体質の女性が、世の中の男性を魅了していたからなのでしょうか。結末は、個人的には、かなり幻想的で“綺麗”過ぎると思うところです。これも「怪奇」ではなく「奇談」を表現されたからなのでしょうか。