「飛鳥山遠足」の感想
飛鳥山遠足
あすかやまえんそく

大町桂月

分量:約6
書き出し:東京第一の射的場なる戸山の原、あちにも、こちにも、銃聲ぱち/\。臥してねらふ兵士、立ちて列をなして射撃にとりかゝらむとする兵士、部下を集めて射撃の講釋をなす士官、午後の暑さをよそに、とり/″\、汗を流して活動し、喇叭の聲やかましく、走る馬に塵たつ中を通りぬけて、ほつと一息す。寺の名は、亮朝院、神佛混淆の痕跡、七面大明神の額に殘れる堂前に、石の仁王あり。左の仁王に榜して、『この石像をたゝくべからず』...
更新日: 2020/01/09
ハルチロさんの感想

明治期の音羽、白山方面から王子方面の景色が伺える作品です。俳人の方々との散策を綴られた作品のようで、散策の処々で詠まれた句が当時の情景を一層浮かび上がらせています。今では、明治期の面影を見出だすことは困難でしょうが、五月晴れの頃、同じ道程を辿って見たくなります。