「野に臥す者」の感想
野に臥す者
のにふすもの
初出:「小説公園」1951(昭和26)年12月号

室生犀星

分量:約34
書き出し:経之《つねゆき》の母御《ははご》は朝のあいさつを交したあとに、ふしぎそうな面持でいった。「ゆうべそなたは庭をわたって行かれたように覚えるが。」「いえ、さようなことはございませぬ。誰かをご覧《ろう》じましたか。」それは確かに人かげを見うけ申した。月がなくただ星あかりでしか見えない池の裏手の、萩芒《はぎすすき》の枯れ叢《むら》の間をぬけて行った者がいた。かぶり物をしていたから顔はようは見られなかったが...
更新日: 2025/05/29
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1941  腹違いの 弟は 兄の 女と 逐電する。日々の 食べ物にも 事欠く ようになり 農民の 畠から 作物を 盗み 取り 怒った 農民たちは 隠れ 住む 荒野に 話し合いの 末に 火を かける。それを 止めに はいった 兄は 弟を 救いだそうとする。女が 夜ばいに 出る 有様 野火の 様子が 美しく 心理描写も 過不足ない。上質な 仕上がりと 感じた。