梶井基次郎
夫の 放蕩 酒乱 女狂いのため 大阪から 東京に 左遷されて 失意の生活を 余儀なくされる家族の 有様が 嵐に揺れる 雨戸の鳴る音を 軸に 描かれている。 子供達の 帰宅が なぜか 大幅に遅れているので 焦燥感や 不安感に 捕らわれる 妻の心情が 部屋を 駆け巡る ねずみの 足音に 写される。このニ編が 習作かは あえて 詮索しなくとも 上質な 文と 感じた。