「告げ人」の感想
告げ人
つげびと
初出:「ホトヽギス 第十二卷第三號」1908(明治41)年12月1日

伊藤左千夫

分量:約25
書き出し:雨が落《お》ちたり日影《ひかげ》がもれたり、降《ふ》るとも降らぬとも定《さだ》めのつかぬ、晩秋《ばんしゅう》の空《そら》もようである。いつのまにか風は、ばったりなげて、人も気づかぬさまに、小雨《こさめ》は足のろく降りだした。もうかれこれ四時|過《す》ぎ五時にもなるか、しずかにおだやかな忌森忌森《いもりいもり》のおちこち、遠《とお》くの人声、ものの音、世《よ》をへだてたるものの響《ひび》きにもにて、...
更新日: 2019/10/24
19双之川喜41さんの感想

 告げ口する人の 意ではない。 祭りの前日に 昔 精神を病んだため 離別された生母が 亡くなつたという しらせを しきたりとおりに 男たちが 実娘に 訃げに 訪れる。 感動が わき起こるように感じた。

更新日: 2016/10/08
ayameさんの感想

お政さんは、母との思い出、消せない過去に泣いたのだろうか。静かな感動が湧き起こる。 ◆すてきな文 ・今夜は実にこみいった感情が、せまい女の胸ににえくり返ったけれど ・叫哭したくてたまらなかったときに叫哭しえないで、叫哭すべき時期を経過した今は、 ・翌日は意外な好天気で、シギが朝早くから例のせんだんの木に鳴いている。