「秩父のおもいで」の感想
秩父のおもいで
ちちぶのおもいで
初出:「霧藻」1928(昭和3)年12月

木暮理太郎

分量:約9
書き出し:秩父の数多い山の中で、高さに於ても姿に於ても、金峰《きんぷ》山は一際すぐれて群を抜いている。御室から登る五十町の峻坂は、岩といい樹といい、如何にも山らしい感じを与えるので、決して飽きることのない路である。絶頂の五丈石は、よしや下から眺めて期待した程のものでないにしても、三角点を中心として縦横に重なり合っている大きな岩塊は、高山の生れたままの荒っぽい一面を偲ばせるものがあると共に、一方には又《また》...
更新日: 2019/10/03
ハルチロさんの感想

本作品は、題名が示す通り、秩父山行に至る経緯や秩父山行時に触れた景観美に対する心情が綴られた回想文です。著者は、秩父山地の景観美の特徴を『深林』と『溪川』とされています。そして、その景観美が最高潮になる頃を『陽春5月』とされています。是非、5月新緑の頃、秩父の渓谷を訪れてみたいと思います。