マル及ムレについて
マルおよびムレについて
初出:「霧の旅」1937(昭和12)年3月分量:約38分
書き出し:本稿は昭和十一年十一月十五日霧の旅会で催した集会の席上に於て述べたもので、謂《い》わば私の物ずきな地名|穿鑿《せんさく》の際にふと思い付いた考《かんがえ》に過ぎないのであるが、山名や地名などを考証する場合、時としてはこうした方面も考慮に入れて然《しか》る可《べ》きではあるまいかと思うので、本誌に掲載して読者の一粲《いっさん》を博することにした、何かの御参考ともなれば幸《さいわい》である。『甲斐国志...