「箸」の感想
はし
初出:「ホトヽギス 第十三卷第一號」1909(明治42)年10月1日

伊藤左千夫

分量:約48
書き出し:一朝霧《あさぎり》がうすらいでくる。庭の槐《えんじゅ》からかすかに日光がもれる。主人《しゅじん》は巻《ま》きたばこをくゆらしながら、障子《しょうじ》をあけ放《はな》して庭をながめている。槐《えんじゅ》の下の大きな水鉢《みずばち》には、すいれんが水面《すいめん》にすきまもないくらい、丸《まる》い葉《は》を浮《う》けて花が一|輪《りん》咲《さ》いてる。うす紅《くれない》というよりは、そのうす紅《くれな...
更新日: 2022/03/20
19双之川喜41さんの感想

 男は 水車の回転のように機械的に 乳を搾る。 その技術で 酪農家を 渡り歩く。 男の金蒔絵の象牙の箸が 奉公仲間の謎の種だが 何も語らない。 酪農小説のような 場面もあり 完成度は たかいと感じた。