「桜島」の感想
桜島
さくらじま
初出:「素直 創刊号」1946(昭和21)年9月

梅崎春生

分量:約99
書き出し:七月初、坊津《ぼうのつ》にいた。往昔、遣唐使が船出をしたところである。その小さな美しい港を見下す峠で、基地隊の基地通信に当っていた。私は、暗号員であった。毎日、崖《がけ》を滑り降りて魚釣りに行ったり、山に楊梅《やまもも》を取りに行ったり、朝夕峠を通る坊津郵便局の女事務員と仲良くなったり、よそめにはのんびりと日を過した。電報は少なかった。日に一通か二通。無い時もあった。此のような生活をしながらも、目...
更新日: 2019/10/25
19双之川喜41さんの感想

 暗号解読に従事していた梅崎は 桜島で 終戦をむかえる。 櫻島の噴煙は 戦闘によるものではないけれど 周りの自然が美しいだけに 緊迫感が 切々と胸をうつと感じた。