「日の果て」の感想
日の果て
ひのはて
初出:「思索 秋季号」1947(昭和22)年9月

梅崎春生

分量:約106
書き出し:暁方《あけがた》、部隊長室から呼びに来た。跫音《あしおと》が階段を登り網扉《あみとびら》を叩く前に、落葉の径《みち》を踏んで来る靴の気配で、彼は既に浅い眠りから浮上するようにして覚めていた。当番兵の佐伯の声である。網扉のむこうで薄黝《うすぐろ》く影が動くのが見えたが、すぐ行く、と彼は返事をしたまま再び瞼《まぶた》をふかぶかと閉じていた。軍靴の鋲《びょう》が階段に触れる音が、けだるい四肢《しし》の節...
更新日: 2022/03/28
19双之川喜41さんの感想

 惨憺(さんたん)たる負け戦のなか 上官である脱走兵を 射殺するように 命令を受けた兵は 部下を1人連れて追跡し 脱走兵の命を絶つ。 しかし 脱走兵の情婦から 撃ちかえされ落命してしまう。 「夕闇はそこにも落ちた。」淡々と 出口のない戦いをかたる。