「風宴」の感想
風宴
ふうえん
初出:「早稲田文学 新人創作特輯号」1939(昭和14)年8月

梅崎春生

分量:約58
書き出し:一夢を見ていた。ともすれば目を覚まそうとする意識をねじ伏せねじ伏せして眠っているうちに、顔も服装もはっきり判らぬ、ごちゃごちゃした人のむれに交って、ぞろぞろと小学校の門の中に入って行った。小学校の校庭に死骸が埋めてあって、それを掘り出さねばいけないというので、私は鍬《くわ》を振って地面にうち下した。私をぐるりと取り巻いて眺めている人々の気配が、だんだん輪を狭《せば》めて、終には私の肩の辺ではっはっ...
更新日: 2021/05/28
19双之川喜41さんの感想

 屍体を掘り出す奇妙な夢から始まり 友人の下宿屋の娘の死を めぐる話しである。 筋立てか 詩情かという 本質的な議論は 芥川なども 良くするところであるけど 梅崎は 圧倒的に詩情を書き込んだと感じた。