「刺青」の感想
刺青
しせい
初出:「新思潮」1910(明治43)年11月号

谷崎潤一郎

分量:約16
書き出し:其れはまだ人々が「愚《おろか》」と云う貴い徳を持って居て、世の中が今のように激しく軋《きし》み合わない時分であった。殿様や若旦那の長閑《のどか》な顔が曇らぬように、御殿女中や華魁《おいらん》の笑いの種が盡きぬようにと、饒舌《じょうぜつ》を売るお茶坊主だの幇間だのと云う職業が、立派に存在して行けた程、世間がのんびりして居た時分であった。女定九郎、女自雷也、女鳴神、———当時の芝居でも草双紙でも、すべ...
更新日: 2024/06/19
ee593e68e297さんの感想

何度読んでも最高。話の筋もさることながら簡潔な文体による情景描写が美しい。

更新日: 2022/01/08
karinoさんの感想

以前、年配の女性に、「大学院で谷崎を研究してるけど、気持ち悪くって、『刺青』なんて、若い女性にすすめられない」と言われたことがあったのだが、特殊な場所を描いているからか、そうでもなかった。谷崎の色がしっかり出ているなとは思ったけど。しかし、あんなもん彫っちゃって大丈夫なのかな?

更新日: 2021/10/21
そ!さんの感想

終わり近くで「女」と呼んだことに違和感を覚え、少し前の文に目をやるとそれまでは「娘」と呼んでいた事に気づきゾクッとしました。 しかしそれを含めても、面白いとまでは思えなかったです。 私の語彙力不足のため、単語の意味を調べる事に夢中で文自体の美しさに気付けていなかった、ということはあるかもしれません。

更新日: 2021/05/06
496b7f29770aさんの感想

兎にも角にも文章が美しい。痛々しい場面も多々あるが、見入ってしまう……娘さんも遂には覚醒してしまった。女は恐ろしくもあり、美しい。

更新日: 2021/01/29
Lycorisさんの感想

読んでいてゾクゾクする。 最後のシーンを読んでいて頭に浮かぶ情景が本当に美しい!

更新日: 2020/11/20
2aa336740915さんの感想

こんなにも「女性」ではなく『女』にこだわれ。そして美しさをだせるなんて……

更新日: 2020/06/27
D@梟さんの感想

腕利きの刺青師 女の器量を見定める 痛てててて… 男のむくろをふみつける足… 谷崎さん表現すげえっす

更新日: 2019/12/02
六花亭四号さんの感想

谷崎の女性の体の肉々しい描写は見事。刺青を入れる前に見せた絵はどういう意図があったのか、なんのために描かれたのか。そもそもこの女と刺青師が出会ったのは偶然なのか等々気になることはあるが、男が女を開花させたのは間違いあるまい。

更新日: 2019/10/12
0296fed37eafさんの感想

女に刺青を入れる時の描写は清吉の吐息や脈拍が伝わってくるような繊細かつダイナミックなものであり魅入ってしまった。 狂気と美しさが入り混じり、一種の芸術に昇華した作品だと感じた。

更新日: 2019/08/10
1131187e9971さんの感想

江戸時代、名を馳せた刺青師が長い間待ち続けた女と出会い、一世一代の刺青を女の背中に彫る。艶めかしいその世界を妖艶な文章でつづる名作。

更新日: 2018/12/03
a61fcd7d6540さんの感想

艶かしい。 すこし切ない。 足への執着がすごい。

更新日: 2018/09/09
47446c5dc77fさんの感想

移り行く時間の写し方が秀逸。 会話の成り行きは荒いが、有り余る描写は作者の豊富な見識と想像を込められる文章力があることを表している。 絡め酔わし抑えつける。 後作に渡り続く、谷崎さんを正に代表する作品。

更新日: 2018/03/20
b221989c280cさんの感想

美しさにドキドキしました素晴らしい

更新日: 2018/03/05
高尚な文は書けないレタスさんの感想

彫られたのが蜘蛛というのもあるけど 文章全体が良い意味で毒々しいというか紫を帯びているというか、 兎に角、刺激的な作品。 脚でその人がわかるのは今で言うフェチみたいなものなのかな、 嗜好はそれぞれですよね。 法を犯してはいけないけれど。←大事

更新日: 2018/02/10
gnosaさんの感想

さすが耽美の第一人者。フェティズムの固まりのような作品。

更新日: 2017/12/17
晴れの空さんの感想

面白かったけど、刺激があるな。

更新日: 2017/09/22
ec538f32331eさんの感想

谷崎の耽美の極致の短編。美少女が女郎蜘蛛の刺青を入れられた後に彼女が持って生まれた魔性に目覚める。 作者 の女性美とその男たちを翻弄する魅力に対する讃歌であるのか。

更新日: 2017/08/23
AVE さんの感想

谷崎はとてつもなく時世の作家であったのではないか。

更新日: 2017/03/20
tatsu.さんの感想

谷崎潤一郎初めて読みました。噂通りのエロさですね。蛇とピアスではありませんが、女の人に刺青を彫るのってムラムラするんですかね?

更新日: 2017/03/12
春也さんの感想

原点にして色褪せない名作