何度読んでも最高。話の筋もさることながら簡潔な文体による情景描写が美しい。
以前、年配の女性に、「大学院で谷崎を研究してるけど、気持ち悪くって、『刺青』なんて、若い女性にすすめられない」と言われたことがあったのだが、特殊な場所を描いているからか、そうでもなかった。谷崎の色がしっかり出ているなとは思ったけど。しかし、あんなもん彫っちゃって大丈夫なのかな?
終わり近くで「女」と呼んだことに違和感を覚え、少し前の文に目をやるとそれまでは「娘」と呼んでいた事に気づきゾクッとしました。 しかしそれを含めても、面白いとまでは思えなかったです。 私の語彙力不足のため、単語の意味を調べる事に夢中で文自体の美しさに気付けていなかった、ということはあるかもしれません。
兎にも角にも文章が美しい。痛々しい場面も多々あるが、見入ってしまう……娘さんも遂には覚醒してしまった。女は恐ろしくもあり、美しい。
読んでいてゾクゾクする。 最後のシーンを読んでいて頭に浮かぶ情景が本当に美しい!
こんなにも「女性」ではなく『女』にこだわれ。そして美しさをだせるなんて……
腕利きの刺青師 女の器量を見定める 痛てててて… 男のむくろをふみつける足… 谷崎さん表現すげえっす
谷崎の女性の体の肉々しい描写は見事。刺青を入れる前に見せた絵はどういう意図があったのか、なんのために描かれたのか。そもそもこの女と刺青師が出会ったのは偶然なのか等々気になることはあるが、男が女を開花させたのは間違いあるまい。
女に刺青を入れる時の描写は清吉の吐息や脈拍が伝わってくるような繊細かつダイナミックなものであり魅入ってしまった。 狂気と美しさが入り混じり、一種の芸術に昇華した作品だと感じた。
江戸時代、名を馳せた刺青師が長い間待ち続けた女と出会い、一世一代の刺青を女の背中に彫る。艶めかしいその世界を妖艶な文章でつづる名作。
艶かしい。 すこし切ない。 足への執着がすごい。
移り行く時間の写し方が秀逸。 会話の成り行きは荒いが、有り余る描写は作者の豊富な見識と想像を込められる文章力があることを表している。 絡め酔わし抑えつける。 後作に渡り続く、谷崎さんを正に代表する作品。
美しさにドキドキしました素晴らしい
彫られたのが蜘蛛というのもあるけど 文章全体が良い意味で毒々しいというか紫を帯びているというか、 兎に角、刺激的な作品。 脚でその人がわかるのは今で言うフェチみたいなものなのかな、 嗜好はそれぞれですよね。 法を犯してはいけないけれど。←大事
さすが耽美の第一人者。フェティズムの固まりのような作品。
面白かったけど、刺激があるな。
谷崎の耽美の極致の短編。美少女が女郎蜘蛛の刺青を入れられた後に彼女が持って生まれた魔性に目覚める。 作者 の女性美とその男たちを翻弄する魅力に対する讃歌であるのか。
谷崎はとてつもなく時世の作家であったのではないか。
谷崎潤一郎初めて読みました。噂通りのエロさですね。蛇とピアスではありませんが、女の人に刺青を彫るのってムラムラするんですかね?
原点にして色褪せない名作