谷崎潤一郎の考える、彼の時勢での近未来が確かに昨今の日本で間違いなく、それにしての日本本来の美しさや儚さ、淫靡さなどは確かにと失われがちになっているのは頷けるものである。 歌舞伎などの日本文化などは最早見る影も無く、今となってはシネマなどのギラギラとした物が日本の道楽と変わり、日本独特といったものが珍しい形と成り代わり、暗さや陰りを楽しむといった感性が失われているのは悲しき事であるのだろう。 私は若者として、しかしながらそれは恥じるものでは無く時代の移り変わりであり、日本人が粉骨砕身し、血汗を流しながらも生み出した一種の美しさであると思う。 ただ、この文章を読み、感想を述べる場としては、和の陰りや煌びやかの中にある影を楽しめぬと言うのは残念と言わざるをえない。
学生の時教科書に載っていたこの文章にとても心惹かれました。 谷崎潤一郎先生の作品というと、少し独特なのでやや敬遠されがちな気が致しますが、陰翳礼讃は是非読んでいただきたいなと思います。 今まで出会った文章の中でも特に大好きです。
思いつくままに 光と陰について いろいろな事を言うけど 本人は モダンな生活様式に暮らし 文学世界で 趣向は再現すると嘯く。 言行不一致と 決めつけたくなる人も いるかもしれないと感じた。
繰り返し読むつもりです。
谷崎潤一郎の好みは陰である。根拠は白人と黄色人の白さにある。白人の中になんぼ色白い日本人がいても、それは直ぐに解る。やはり、黄色人は肌が暗いからだ。西洋より日本の街の夜は電灯で明るい。日本人はとかくアメリカ人の真似をしたがって明るくする。 日本の部屋は暗いのが良い。西洋人は明るいのを好み、陰をなくしたがる。 今後も近代化していくが、せめて文學の世界だけでも、陰影を生かした世界が望まれる。