とにかく情景の説明が長い。おかげで何度か読み飽きしました。 そして最後に急展開。面白くないことはないんだけど…
パノラマ島の記述がクドすぎて飽き飽きする。
乱歩の芸術性を全て詰め込んだ傑作。 代表作の代表作たる由縁。
人間の中にある様々な「葛藤」が見事に描かれていて、惹き込まれる。 ①理想は現実にしたいが、そのために犯罪を犯してもいいのだろうか? ②夢想家の貧乏生活は嫌だが、それが現実なら受け入れるしかないのだろうか?? 或いは、どんな手を使ってでも成し得るべきか? ③自分が手を染めた犯罪は露見されたくない。 しかし、この犯罪を愛する人には分かって欲しい。 ④俺が偽物の夫であることを知ってしまった愛すべき女。 その女を心底好きあるが為に、その女からは好かれていないことを自覚する俺。彼女を生かすべきか?殺すべきか? ⑤犯罪に手を染めてまで現実になし得た「己が理想郷」の世界。 苦心して作り上げた故に去来する「満足感」と「疲労感」。 そして気づいてしまった諸行無常や終着から来る「虚無感」。 増殖する「己が欲望」により、 増殖していく「己が恐怖」。 具現化する「己が理想」により、 具現化していく「己が破滅」。 江戸川乱歩は、本当に本当に、「人間の持つ闇や苦悩」を描くのが上手い☆☆☆
ここに著された物語の着想は他人にも出来たかも知れないが、細部の描写は江戸川乱歩ならではで有る。余人を許さぬと言うは、正にこの場合に相応しい。
詩情を探し求めても 多くの人は 見つけられないと思う。 そのかわりかは わからないけど 残虐で猟奇的な趣向が仕掛けられており 当惑する。 動員でもされなければ 読む気にならない人が 多いかもしれない。
映像で観たいような観たくないような、妖しくおどろおどろしい作品。 自分の妄想を実現させる過程が一番楽しく、千代子夫人と島に渡った時はもう下り坂という哀しい現実。妄想は妄想のままが、一番長く楽しめるのかも。
面白かった! 何が面白いって、心理描写が事細かに描かれているところ。 主人公の心の揺れ、死体への嫌悪感から無感覚になっていく様、用心深さの心理描写が具体的で、主人公が理解出来ました。 特に墓掘りシーンは事細かすぎて自分が主人公になってしまった気がして、私の中にこんな猟奇があったの?と思ってしまいました! こんなに掘り下げて心理描写したのに屋敷に担ぎ込まれるくだりは端折る! 江戸川乱歩、最高!と思いました。
そもそも人の美観や心地よさは人それぞれ。 (猟奇的なモノはマイノリティであるべきだが) 夫婦それぞれの視点での感じ方の違いがまさにそれ。 他にも色々なテーマが隠されていて面白い。 熟考しながら読み解くと実は深い作品。 一般的には奇怪、エロ、グロと評価する人が多いのが残念に思う。
どうもスッキリしない
怪奇幻想の世界観に読者が正面から取り組むのはナンセンスで、提示されたものを受け止めるだけにすべきなのだろうけど、この作品はいつも精神を磨耗させてくる。いつまでたっても読み込んだと胸を張れない。それを奥が深いと取るか、肌に合わないと取るか分かれる作品。
描写を頭の中でイメージするだけで楽しいです。 一度この目で見てみたい。
島の描写は、夫人が感じたそのままのごとく息苦しく、すべてが毒々しかった。
美しいです