ワシーリー・エロシェンコ(エスペランティストで童話多数)のモスクワ盲学校での経験談を連想させられます。教育総監の査察で曇りなき少年の心眼に映る皇帝のいでたちの話だったと記憶します。濁世は常にいずこにありませど、何人も同じ心の鏡は持ち合わせるものだと思います。いつまでも何度でもそれを見つめて成長していくのが人間なのでしょう。このような短編はちょっとした心のお掃除にピッタリではないでしょうか。
いたいけな幼き心のありようをおしはかるべしロシアの文豪のように。野蛮化が進むこの21世紀にある我々共が人間性の計量化 に邁進して省みない愚かさに気づかせる19世紀からの贈り物だ。
身体検査、それは、心のなかも検査しているのでしょうね。 検査する側も、される側も。
主人公の少年が抱いた屈辱感は、現代を生きる多くの大人にとっても無縁ではないと思います。誤解されたり、噂を流されたり、人生は嫌なことばかりのようですが、少年の新しいシャツのように、私たちを勇気づけてくれる嬉しいこともあるものです。
読後が悪い結末でした。 理不尽。
小学生の頃を思い出した。 寒い日が続いたので、長いジャージのズボンを連日履いて行った。なぜか、パンツまで脱がされた。大人の理不尽さを感じた。時には、子供の教育の為にという理由から、子供の尊厳を奪う。しかし、懐かしい。