「貧乏を売る」の感想
貧乏を売る
びんぼうをうる

山之口貘

分量:約14
書き出し:貧乏を売る山之口貘この間のことである。蛇皮線の大家と云われている人が、東京を引揚げて沖縄へ帰ることになり、その送別会が催されたが、場を変えて二次会になり、新橋のある泡盛屋にぼくはいた。ぼくは二年ばかりこの方、酒を遠慮しているのであるが、それでもまだずっとやめるというほどの気にはなれず、おっかなびっくりで、なめるようにしてそこにいたのである。そこへ、「この方が御面会です。」と云って、店の女の子が、名...
更新日: 2023/03/17
cbeb8d424306さんの感想

雑誌の対談で女房が作者のことを『貧乏ですが素直なところがあるんです』娘には『貧乏物語は、もうよしなよパパ』と言われながらも楽天的な家族に共感させられました。私も必至で貯めた結納金20万円を渡し、披露宴をするお金がなく、そのまま女房を連れ帰りました。40年あまりたちました、女房はどんな気持ちやら?