サーカスの怪人
サーカスのかいじん
初出:「少年クラブ」大日本雄辯會講談社、1957(昭和32)年1月号~12月号分量:約190分
書き出し:骸骨《がいこつ》紳士ある夕がた、少年探偵団の名コンビ井上一郎《いのうえいちろう》君とノロちゃんとが、世田谷《せたがや》区のさびしいやしきまちを歩いていました。きょうは井上君のほうが、ノロちゃんのおうちへ遊びにいったので、ノロちゃんが井上君を送っていくところです。ノロちゃんというのは、野呂一平《のろいっぺい》君のあだなです。ノロちゃんは団員のうちでいちばん、おくびょうものですが、ちゃめで、あいきょう...