妖人ゴング
ようじんゴング
初出:「少年」光文社、1957(昭和32)年1月号~12月号分量:約192分
書き出し:おねえさま空には一点の雲もなく、さんさんとかがやく太陽に照らされて、ひろい原っぱからは、ゆらゆらと、かげろうがたちのぼっていました。その原っぱのまんなかに、十二—三人の小学校五—六年生から、中学一—二年ぐらいの少年たちが集まっていました。その中にたったひとり、女の子がまじっていたのです。女の子といっても、もう高等学校を出た美しいおじょうさんです。えびちゃ色のワンピースを着て、にこにこ笑っています。...