奇面城の秘密
きめんじょうのひみつ
初出:「少年クラブ」1958(昭和33)年1月号~12月号分量:約189分
書き出し:怪人四十面相ある日、麹町《こうじまち》高級アパートの明智《あけち》探偵事務所へ、ひとりのりっぱな紳士がたずねてきました。それは東京の港《みなと》区にすんでいる神山正夫《かみやままさお》という実業家で、たくさんの会社の重役をしている人でした。その神山さんが、明智探偵としたしい友だちの実業家の紹介状をもって、たずねてきたのです。明智は、神山さんを応接室にとおして、どういうご用かと聞きますと、神山さんは...