一歩間違えば総会屋みたいな物の言いようだ。本人以外から見たら、演説会を掻き回して乗っ取り、警察まで巻き込んで騒動を演出する、危ない人間に思えていたんだろうな。 だけど大杉栄曰くそれは「演説会そのもの」に疑問を持ってのことだ。一方的に壇上から論じて、イベントそのものの運営が目的に見える演説会は何も生み出さないって思ったんだろう。 口ベタとか関係ない、って言う大杉本人も壇上の快感を知ったような書き方だが、言葉を発せられる者や、演説会を開ける者たちが一方的に言うだけではなく、反論や対話でつど内容を膨らませ、模索する場が演説会であるべきだって、それが本人も自覚する過激なヤジや打ち毀しになっていたようだ。 全てを肯定は出来ないけれど、言っていることは筋が通っている。だからタチが悪いとも思えるし、正々堂々としているとも言える、興味深い人物と思ったな。