「僕は精神が好きだ」の感想
僕は精神が好きだ
ぼくはせいしんがすきだ
初出:「文明批評 第一卷第二号」文明批評社、1918(大正7)年2月1日

大杉栄

分量:約1
書き出し:僕は精神が好きだ。しかしその精神が理論化されると大がいは厭《いや》になる。理論化という行程の間に、多くは社会的現実との調和、事大的妥協があるからだ。まやかしがあるからだ。精神そのままの思想はまれだ。精神そのままの行為はなおさらまれだ。生れたままの精神そのものすらまれだ。この意味から僕は文壇諸君のぼんやりした民本主義や人道主義が好きだ。少なくとも可愛い。しかし法律学者や政治学者の民本呼ばわりや人道呼...
更新日: 2022/01/30
decc031a3fabさんの感想

短い文章だが、結構な熱量の内容だ。社会主義も無政府主義も厭だって、個人的な大杉栄のイメージと反するものだった。おそらく「自分の考え」を、思想とか学問とか宗教とか、レッテル貼りやジャンル分けされることを、浅く表面だけで理解されるようで気持ち悪く思っていたんだろうな。 ある程度名前が世に出て、世間で通用するようになって、そうすると逆にしがらみの多さを見たんだろう。そのなかで大杉栄は足掻いたのだろうけど、憲兵隊に危険視されていたことも、あのような最期を遂げて今に伝わっていることは、本意じゃないのかもしれないな。

更新日: 2021/07/10
85a6c46163baさんの感想

現代にも通じるところが驚きでもあり100年たった今の社会にもこの主張の中の批評が当てはまってしまう事に絶望すら感じる。