梅崎春生
猿蟹合戦を もじってあるのは すぐに しれてしまう。 飲み屋の女を 恋敵から 飲み代の つけを 肩代わりする代わりに 貰い受けて 結婚する。 妻の死後に 日記に記されていた 背中に痣のある男は 誰なのか 気になって 仕方がない。 全体に 独特の ユーモアに溢れており たびたび 吹き出してしまうのである。 なかでも ヘボ将棋で 相手の取り駒を こともあろうに 買い戻すのには しばし 哄笑した。