「母」の感想
はは
初出:「東洋・文科 創刊号」花村奨、1932(昭和7)年6月1日

坂口安吾

分量:約13
書き出し:畏友《いゆう》辰夫は稀《まれ》に見る秀才だったが、発狂してとある精神病院へ入院した。辰夫は周期的に発狂する遺伝があって、私が十六の年彼とはじめて知った頃も少し変な時期だった。これ迄《まで》は自宅で療養していたが、この時は父が死亡して落魄《らくはく》の折だから三等患者として入院し、更に又公費患者に移されていた。家族達は辰夫の生涯を檻《おり》の中に封じる所存か、全く見舞にも来なくなった。辰夫は檻の中で...
更新日: 2019/07/11
19双之川喜41さんの感想

 精神病院から 治ったのに 出してもらえない友人の 使いとして 友の母親を訪れると 友の母親から  退院したら 息子に 殺されると 心情を 吐露されたりする。 友人の退院後の 母親の豹変ぶりが凄い。 心の襞(ひだ)の描写に 並々ならぬ 才をみせると感じた。

更新日: 2018/10/25
f26981eb6040さんの感想

「魚のように街を泳いで埃を浴びる」 とか人格が滲むようないい表現だと思った。

更新日: 2016/05/31
68ecbfc1a784さんの感想

なるほど、母の心情がよく描かれていて面白い。ただ自分の見聞の浅いせいか、なぜ母の態度が変化したのかよくわからなかった。