「戯作者文学論」の感想
戯作者文学論
げさくしゃぶんがくろん

――平野謙へ・手紙に代えて――

――ひらのけんへ・てがみにかえて――初出:「近代文学 第二巻第一号」1947(昭和22)年1月1日

坂口安吾

分量:約40
書き出し:この日記を発表するに就《つい》ては、迷った。書く意味はあったが、発表する意味があるかどうか、疑った。この日記を書いた理由は日記の中に語ってあるから重複をさけるが、私が「女体」を書きながら、私の小説がどういう風につくられて行くかを意識的にしるした日録なのである。私は今迄《いままで》日記をつけたことがなく、この二十日間ほどの日記の後は再び日記をつけていない。私のようにその日その日でたとこまかせ、気まぐ...
更新日: 2019/11/08
19双之川喜41さんの感想

 創作の 実況報告は 珍しい。 「漱石の作品が全然肉体を生活していない」と 斬って捨てるような事を口にした以上 弁明として書いたけど 「筆力不足のため、私の観念の血肉の不足があり」などと 弱気なところも 散見される。