安吾は 少しずつ良くなれと 言う。 人は 無限に堕ちきれるほど 堅牢な精神に 恵まれてはいないとも言う。 そこで 堕落は 制度の母胎であるからして 我々は実相を 厳しく見つめることが 必要であると 結論つける。背景を異にしても 応用のきく考えと思う。
あっという間に読み終えてしまった。 勢いのある、そう、まさにヒトラーの演説のように荒々しく頭の中に入ってきた。 しかし日本人の血を残さなくて良いというのは、賛成できない。確かに命がけで守るものではないかもしれないが、血が受け継がれないというのは歴史や伝統なども受け継がれないと同義ではないのか。私はそう考える。 長くなりましたが、日本人は国際人になるべきであるなど現在の日本人に求められていることが書かれていて、とても感心しました。根性理論を真っ向から否定していて好きです。
堕落論を読んだのはずいぶん前の事だが、天皇制への切込みの鋭さに感銘を受けたのは記憶によく残っている。今回も然り、戦後まもない時期によくこんなエッセイが書けるものだ。現在の自己目的化とどこか繋がる印象を受けたが、良くわからない。また、少し時間を置いて読み返そうと思う。