「仏蘭西文学と僕」の感想
仏蘭西文学と僕
ふらんすぶんがくとぼく

芥川竜之介

分量:約6
書き出し:僕は中学五年生の時に、ドオデエの「サッフォ」という小説の英訳を読んだ。もちろんどんな読み方をしたか、当てになったものではない。まあいいかげんに辞書を引いては、頁《ページ》をはぐっていっただけであるが、ともかくそれが僕にとっては、最初に親しんだ仏蘭西《フランス》小説だった。「サッフォ」には感心したかどうか、確かなことは覚えていない。ただあの舞踏会から帰るところに、明け方のパリの光景を描いた、たった五...
更新日: 2019/07/11
19双之川喜41さんの感想

 「語学も少し目鼻がついたから、仏蘭西の小説も読んで見た」と 竜之介はいう。 ほとんどの人は 目鼻なんぞはつかない。 責任先頭を感じたかは 判らないが 仕入れにも力を入れたのだと思った。

更新日: 2017/03/02
芦屋のまーちゃんさんの感想

芥川が英語はもちろん、仏語まで出来るとは知らなかった。 夏目はイギリス留外の経験もあり英語教師だったのは有名だし、森も独語に精通してたのは理解していた。 しかし、芥川はどちらかというと、今昔物語のような日本の古典に造詣が深いイメージでドーデーやらアナトオル・フランセなどを英訳や原書で読んでいたとは知らなかった。流石、大作家は外国語の一つやニつ知っているのが当然なのだろう。丸善でしか手に入らない外国文学の原書を誰が読み、誰が訳し、国内で紹介するかが当時の作家のプライドかも知れない。