「桃太郎」の感想
桃太郎
ももたろう

石塚浩之

分量:約36
書き出し:桃太郎石塚浩之沖に出てから三日になる。もちろんときおり名前の分からぬ海鳥が飛んできたりもするが、それとてもほとんど蠅と見間違えたとしても不思議はあらぬような、色彩を失った点として、薄い雲で覆われた曖昧な空模様をなめらかな曲線で区切って移動していくのみであり、お互いの姿を確認しつつも気づかぬようなふりをしながら相手の様子をうかがうといった気晴らしのひとときを過ごせるほどにまで近づいてくるわけでもない...
更新日: 2023/03/24
b96f061cf643さんの感想

面白く読みました。 中島敦の「悟浄…」太宰の「お伽草子」のような取材に、重く暗い脚色。導入の海の上の描写が長くだるいのは、この船旅そのものなのだとあとで気づくので、根気よく付き合ってください。 「鬼灯の冷徹」の桃太郎はもしかしてこのなれの果てであったのか?! いや、お供のキャラはまるで違うな!