著者は 日清戦争に 赴く前の 教え子の麻吉と語り合う。 死後の世界について 共通の理解を 得たとは 言い切れない。 遺体となって帰郷した麻吉の霊前で 小泉八雲は 英語で 話かける。 哀悼 切々と 心を 打つ。
明治27年の日清戦争の時、戦争に赴く若者の考えを西洋人である作者の目から評したもの。残酷なピュアーさが描かれている。個人の自由が尊重される今の時代がありがたい。
戦前の教育に問題ありというだけでなく現代にいきるものには理解しがたい日本独自の精神性があったのかもしれない。いろんな価値観を選択できる今に感謝したい。
自ら進んで兵士となり、死することを誇りとする若き日本人と、それを静かに見つめる外国の恩師のやりとりが描かれている。これが実際にあった話であるならば、切ない。
八雲の日本愛を感じさせてくれる作品。いまは薄れつつある日本人の先祖への思いや日本人の宗教観がわかる作品です。