「狐」の感想
きつね
初出:おぎつね「陽炎」1957(昭和32)年3月号

蔵原伸二郎

分量:約3
書き出し:めぎつね野狐の背中に雪がふると狐は青いかげになるのだ吹雪の夜を山から一直線に走つてくるその影凍る村々の垣根をめぐりみかん色した人々の夢のまわりを廻つて青いかげはいつの間にか鶏小屋の前に坐つている二月の夜あけ前とき色にひかる雪あかりの中を山に帰つてゆく雌狐狐はみごもつている黄昏いろのきつね山からおりて来た狐が村の土橋のあたりまでくるとその辺の空気が狐いろになつた残照のうすらあかりの中で狐がたそがれい...
更新日: 2016/12/25
a3ead89d2cfdさんの感想

旅人は野狐へ、野狐はきつねへ、きつねは黄昏色のきつねへ。 やがて老いたきつねは宇宙になり、通りすがりの旅人へ声をかける。 そして旅人は「野狐」となる。