書簡 山田邦子宛
しょかん やまだくにこあて
(一九一五年七月一一日)
(せんきゅうひゃくじゅうごねんしちがつじゅういちにち)分量:約5分
書き出し:宛先東京代々木発信地小石川区指ヶ谷町青鞜社お手紙拝見いたしました。おかねもたしかに頂だい致しました。ありがたく御礼申上げます。この間から、あなたにはお目に懸りに伺はふか、それとも手紙でと、いろ/\に考へて居りましたの。先日の永いお手紙に返事を出しそびれまして、さぞお腹立のことと存じ、そのおわびもあり、それからわざ/\お持ち下さいました御歌集についても、まづしい感想でもと思ひながら、今月号に何の御紹...