「如何なる星の下に」の感想
如何なる星の下に
いかなるほしのもとに
初出:「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号

高見順

分量:約310
書き出し:如何《いか》なる星の下に生れけむ、われは世にも心よわき者なるかな。暗《やみ》にこがるるわが胸は、風にも雨にも心して、果敢《はか》なき思をこらすなり。花や採るべく、月や望むべし。わが思には形なきを奈何《いか》にすべき。恋か、あらず、望《のぞみ》か、あらず……。樗牛《ちょぎゅう》第一回心の楽屋——アパートの三階の、私の佗《わび》しい仕事部屋の窓の向うに見える、盛り場の真上の空は、暗くどんよりと曇ってい...
更新日: 2021/07/13
59b0ddf6e8ebさんの感想

根底には、人間の陰の面が、登場人物を介して、折り重ねられて描かれています。しかし、悲劇ではなく、どちらかと言えば、喜劇のようにも感じられる作品です。読みやすく、面白い作品です。浅草界隈の風俗、文化や芸能芸術に携わる人間の裏事情を、作者の目を通して見ることができます。作中に出てくる店や劇場の風景を、現在の浅草六区に見ることは、難しいですが、国際通りから合羽橋通りの辺りーー肉の今半や泥鰌の飯田ーーは、まだ面影を残しているようです。本作品に目を通されて浅草、田原町界隈を散策されると面白いかも知れません。

更新日: 2019/09/14
19双之川喜41さんの感想

 時代を風靡(ふうび)した作品なので 微かに記憶はあるけど 長い割には 詩情は 溢れてはいないように 思ってしまった。 肝となるところを 見逃したかもしれないと感じた。