「中村孤月様へ」の感想
中村孤月様へ
なかむらこげつさまへ
初出:「第三帝国 第四二号」1915(大正4)年6月5日

伊藤野枝

分量:約10
書き出し:私は、あなたにはもう一切手紙を書くまいと思つてゐました。けれども廿五日の第三帝国を読みまして、我慢してゐられなくなりました。私は昨夜それを読みました。私はその事についてぢつと考へつゞけて居ります。それで他の事は何にも書けません。それでこの手紙を書く事にしました。もしこれが第三帝国の原稿として不都合ならば致し方はありませんから一と通りお読み下すつたらお返し下さい。この次にはすこし実のあるものを書くこ...
更新日: 2025/02/20
65c8aadc88adさんの感想

雙喜 ほかの 男と 同棲している 野枝に 未練がましく 手紙を よこす 孤月に 断絶の 返信を したためた やり取りである。読み進めているうちに 野枝は 自分自身を 過不足なく 値踏みのできる 卓越した 自己分析力が あるようにも 思えてきた。若くして 書いた 文章であることに あとから 気づき さらに 驚いた。