「三十六年前」の感想
三十六年前
さんじゅうろくねんまえ
初出:「別冊宝石 四十二号」岩谷書店、1954(昭和29)年11月10日

森下雨村

分量:約7
書き出し:「二銭銅貨」が世に出たのが大正十二年、ついこの間のような気がするが、正しく三十六年の昔である。いま、「宝石」を中心に活躍している作家諸君の大半が、おそらく産声をあげたか、まだやっと這い這いをしていたころであろう。それから今日まで、戦争騒ぎでそこばくの蟄居時代はあったにしても、探偵小説への情熱をもちつづけて、海外ものの研究に、新人の育成に、倦くなき努力をつづけてきた江戸川君の労は、まったく多としなけ...
更新日: 2019/09/10
19双之川喜41さんの感想

 「二銭銅貨」を なかなか世に出さなかった人の話です。 森下は 博文社の新青年の編集者で たった二人で切り盛りしていたので 乱歩の作品を 引き出しに 長らく放置していて 封も開けなかったので しびれをきらした乱歩は 督促してきたらしい。 そこで 森下は 読んでびっくり 早速 掲載して 大評判となったという。